百日紅(山本勝士)



百日紅(さるすべり)  創棋会 詰将棋作品集                     発売 平成3年8月



  百日紅は、関西の詰将棋作家の会でプロアマ関係のないグル-プです。本誌では、内藤国雄九段、谷川浩司九段、
  藤井聡太九段   他多くのプロが入っています。その中から、山本勝士(全国日本詰将棋連盟八段・御所市)さんの
  作品を抜粋して紹介します。

 山本勝士(やまもとかつし) 第178番~第182番  
  青春期からの宿題であった自己作品集出版については断念します。製作をを伸ばせばよい作品が一局でも多く
  残せると思ったのが 理由ですが、やはり気付いたときは何でもすぐに実行するべきでした。
  八十一歳になった今の私には原稿づくりが体力的にとても無理…。 宣言した皆さんにお詫びします。





  •  
  •                              2015年3月「解けてうれしい詰将棋誌」





























                                   初手22 銀成の誘い手は13金合で不詰
                                   初心者向けの出題ですが、初心者には案外、
                                   むつかしいようです 、
                                     まあ顔だけが取柄で美人ですが。





  •          「未発表作」




     本作は未投稿であるが、配置駒と手順からみて、
     すこぶる感触がよいので残しておきたい。
     すべての駒が何重にも生きており、収束の63飛成が、
     思いがけない偶然の妙手として生まれてくれた。
     やさしいが駒の機能を味わってほしい。


















  •         2020年7月「将棋世界誌」 
     捨駒だけが妙手ではないのは今さら言うまでもないが、
     本作では打たない方が詰めやすいと思われる22歩が必要
     になるだけに発見しにくい。つまり歩は14歩と打つため
     のものと錯覚してしまう。還元玉や角の単打は、特に意識
     して創作したわけではない。将棋世界誌には55年ぶりの
     登場です。

     及川拓馬六段 = 3手目32銀成は同玉、21角、
      23玉、また12角は31玉32銀成、同玉でいずれも逃れ。
      角を取らずに22歩がポイントとなる手。最後に拠点と
      して働く味わい深い利かしです。収束は飛車角が消え
      てスッキリ。玉の動きを確認すると、22歩を中心に
      一周。手順だけでなく玉の動きも楽しい作品。
     上領英二 = スイェイホ-ム。玉せめて自宅まわりを
      ひと巡り。
     河口敏洋 = 角の単打が面白い。





  •       2021年8月「創棋会ネット作品展」 本題はかなりの難解作と思います。
     チョロ松 = まず35桂と跳ねて香を吊り上げ
      35龍と回る手を作る。44銀、32玉で読み筋とばかり
      35龍と回ると、不思議なことに23玉と上がられて詰
      まない。31角成と捨てて35龍と回るのが正解だが、
      わざわざ角を捨てて、それも35龍からは遠い場所に
      玉を呼ぶので、かなり指しにくい。35龍には32合だが
      同龍~33金~32X(桂は43桂)の筋があるので角合
      が最善。これには同龍と切って54角と打ち換えるが
      ④の変化をを見た限定打。対して角筋をそらす43桂の
      捨合が攻防だが、同角成、23玉に32馬と捨てるのが
      決めて。その局面は8手目桂合の変化と同じ。何とも
      不思議な手順で角を桂馬に交換することに成功。

     則内誠一郎 = 54角~捨合~32馬が力強い。
     福原徹彦 = 角合を取り、角桂変換するのが良い手順
      ですね。
     占魚亭 = 大駒3枚を同じ筋で消す統一感がいい感じです。




  •      2019年6月(改良図)「暁将棋部屋誌」
     




      ①香合は作意通り進めて③で22香迄。桂合は②で33龍
      以下。本作は第4号掲載より後日に、序盤8手を追加いた
      しました。23歩中合が入るので、このほうが面白いで
      しょう。手数が長いだけかもしれませんが、こじんまり
      とした詰上がりが気持ちいいと感じています。















        西川洸佑= 11手目23馬と入ると玉と引かれて打歩詰なので44馬とよろける手が正解です。歩合に対し、
         42飛成から43馬とすれば合駒の歩を回収しながら迫ることが出来ます。33馬に21玉と引いた局面で
         やはり打歩詰になりますが、12角なりがそれを解消する好手で、同香と取らせれば歩が打てるように
         なり、以下は広がった初形から3×3の小部屋となって詰みとなります。

        有吉弘敏= かなり悩んだ。巧みな手順で、無駄のない配置かつ合駒もうまく割り切れ、好作。
      
        占魚亭= 馬の操り方がポイント。








 
   第178番 22銀生、24玉、36桂、同馬、14龍、同玉、15金、迄7手詰め。

         初手22 銀成の誘い手は13金合で不詰。 初心者向けの出題ですが、初心者には案外、
         むつかしいようです 、   

   第179番 56銀打、44同桂、44銀①、65玉、54角成、同玉、63飛成、44玉、45金、迄9手詰。
       
         ①同玉は、43金、55玉、35飛成 迄。本作は未投稿であるが、配置駒と手順からみて、
         すこぶる感触がよいので残しておきたい。  すべての駒が何重にも生きており、収束の
         63飛成が、思いがけない偶然の妙手として生まれてくれた。
         やさしいが駒の機能を味わってほしい。

   第180番 21と、同玉、22歩、31玉、32銀成、同玉、21角、23玉、32角打13玉、12角成、同玉、
        11飛成、同玉、21角成、まで15手詰 。21玉、23香、12玉、22香成、迄23手詰。

         捨駒だけが妙手ではないのは今さら言うまでもないが、本作では打たない方が詰めやすい
         と思われる22歩が必要になるだけに発見しにくい。つまり歩は14歩と打つためのものと
         錯覚してしまう。還元玉や角の単打は、特に意識して創作したわけではない。
         将棋世界誌には55年ぶりの登場です。

   第181番 35桂、①同香、44銀、②32玉、31角成、③同玉、35龍、32角合、同竜、同玉、54角④43桂合、
        同角成、23玉、32馬、同玉、33金、31玉、43桂、21玉、23香、12玉、22香成、迄23手詰。

         ①32玉は72龍、42合、同角成以下。
         ②34玉は35銀、25玉、26銀、34玉、35角成、33玉、34香、23玉、73龍以下。
         ③23玉は33金、14玉、36角以下。


   第182番 24香、23歩合、同香不成、12玉、22香成、同玉、33歩成、同玉、34馬、22玉44馬、①33歩合、
        42飛成、21玉、43馬、32桂合、22歩、同玉、②33馬、21玉、③12角成、同香、22歩、11玉、
        31龍、同飛、21歩成、同玉、23香、迄29手詰。

         ①香合は作意通り進めて③で22香迄。桂合は②で33龍以下。本作は第4号掲載より後日に
         序盤8手を追加いたしました。23歩中合が入るので、このほうが面白いでしょう。手数が
         長いだけかもしれませんが、こじんまりとした詰上がりが気持ちいいと感じています。



                                           (山本勝士作)







  •  

       八十一文字散文詩

        負けなくも
        一手指すと
        コロナ聞く
        文句言わず
        予防に身を尽くし
        盤に纏わり
        楽しむことを
        優ねると
        非難されても
        迷惑かけず感染
        阻止に世には
        広めて行こう。

      







       本作品集発行の2021年は新型コロナ流行の最大の年です。詰将棋と共に難文を創作しました

         私もコロナの世と共に今年は盤寿81格を満了します。
        【盤寿】=将棋盤の桝目が81であることから81歳のこと、また81歳の賀の祝-広辞苑

                                               (山本勝士作)